ニコニ・コモンズに“Share on Tumblr”の手軽さを期待する
ニコニ・コモンズについて
http://www.nicovideo.jp/static/niconicommons/rule.html
上記の公式アナウンスを受けて、僕は真っ先に連想したウェブサービスがあります。
そのサービスとは、“Tumblr.”です。
Tumblr.は“Webスクラップ帳”などとも表現されて広く知られるウェブサービスです。このウェブサービスが話題を集めるにいたった、その魅力のひとつに、“Share on Tumblr”というブックマークレットの存在が挙げられます。これを利用することで、ユーザーはウェブ上で発見したお気に入りの画像などを、数クリックの手軽な動作だけで自分のページに投稿することが出来ます。画像を選択してクリック→投稿、文章をドラッグ選択してクリック→投稿。また、このサービスのさらに秀逸な点は、その手軽さに加えて、転載投稿内容をTumblr.サイドで最適な形式で判断し、分類した上でpost(投稿)してくれるという機能にあります。その分類とは、以下の6つ。
- 画像(JPEG・GIF・PNG・BMP形式 最大10MBまで)
- 音声(MP3形式のみ 最大10MBまで)
- 文章の引用
- ハイパーリンク
- インスタントメッセンジャーの会話ログ
- 動画(YouTubeの動画、もしくはVimeoにアップロードした動画)
このサービスの手軽さは実際にやってみればわかります。日本語版のサービスは確かまだリリースされていませんが、ぐぐれば使い方の日本語解説等がいくつかヒットしますので、利用したことのない人は試してみればよいと思います。
なぜこのTumblr.をニコニ・コモンズから連想したのか。それは、僕がTumblr.のクリッピング行為をMAD製作の行為と重ね合わせているからです。一次創作物である複数の画像やオーディオ・ファイルを繋ぎ合わせ、自分のタンブルログを完成させる。完成物は動画ではありませんが、この手法はMADと非常によく似ていると思います。Tumblr.は一種の二次創作性を持っているのです。
ニコニ・コモンズは二次創作行為を推進するシステムです。つまり、Tumblr.の機能やその成功は、ニコニ・コモンズを便利なものにする上で、参照に値するものだと言えるのではないでしょうか。
僕は、上記を踏まえて、ニコニ・コモンズには以下のような機能があればよいと思います。
- ニコニ・コモンズに素材をアップロードすると、ファイル形式によって自動的に最適な分類に分けられる。
- ニコニ・コモンズにアップロードされた作品をダウンロードすると、同時に、ニコニコ動画のマイページにその情報が記録される。
- SMILEVIDEOへ動画を投稿する際に、使用した素材をマイページからセレクトして、使用形態とともに申告できる。
- 使用形態は可能性の高いものがデフォルトで選択されている。
- 二次創作物のアップロードがなされると、一次素材のアップロード者に、素材使用報告が通達される。
そして、ニコニ・コモンズのサーバにおいては、以下のような素材の分類があれば良いと思います。*1
- 画像
- 音声
- 動画
- 文章
- プログラム/ソフトウェア
さらに、使用形態は以下のように分類されればよいのではないかと思います。
- 画像の利用(改変なし)
- 画像の改変利用
- 音声の利用(改変なし)
- 音声の改変利用
- 動画の抜粋
- 動画の参照
- 動画の改変利用
- 文章の抜粋
- 文章の参照
- プログラム/ソフトウェアの使用
Tumblr.と同じように、使用した素材に応じて投稿形式があらかじめ選択されていると便利です。
つまり、音声ファイル素材の使用ならデフォルトは「音声の利用(改変なし)」になっているということです。もしリミックスなどを施した場合は、申請時に「音声の改変利用」をセレクトすればオッケー。
動画ファイル素材の使用ならデフォルトは「動画の抜粋」。抜粋ではなく、たとえば音声部分のみを使っているのであれば、「音声の利用(改変なし)」をセレクト。動画のストーリーなどを改変した二次創作なら、「動画の参照」。
文章ファイル素材の使用ならデフォルトは「文章の抜粋」。抜粋ではなく、たとえば、「投稿された小説をアニメ化してみた」「投稿された学術的な内容の文章を映像解説にしてみた」などというものであれば「文章の参照」。
プログラム・ソフトウェア素材の使用ならデフォルトは「プログラム・ソフトウェアの使用」。これはMikuMikuDanceやVocaloid、DS-10のようなソフトやプログラムを想定しています。この場合はおそらくデフォルト以外をセレクトすることは少ないでしょうが、ゲーム画面や音声の改変利用等は考えられますね。
また、ニコニコムービーメーカーには、素材のダウンロードなしに、クリップして素材を簡単に貼り付けられる機能などの搭載も期待したいです。
*1:サービス開始時では、画像、音声、動画のみ対応とのこと