「ニコニコノベル」と「文字を読む動画」の可能性

さて、ニコニコ動画の「タイムラインに沿ってコメントを投稿できる機能」が、
投稿者・視聴者の双方にとってどのような利便性・訴求性があるのか。
そのことについて丁寧で分かりやすい言及をしておられる人気エントリがあります。


ニコニコ動画が言い続けた「アンチ集合知」とは何だったのか

上記エントリでは、以下のように投稿者側にとっての利便性・訴求性について語られています。


自分の期待した流れにそって、楽しんでもらえた反応を、
それこそ視聴者の息づかいが聞こえてきそうなくらいに感じることができる。
ブログだと自分の言いたかったことが半分も伝わらない気がしますが、
ニコニコ動画の場合、「ああ、自分を見てもらえた」という気になるんじゃないでしょうか。

では、動画ではなく、テキストコンテンツでも、
同じようにタイムラインにそった形でコメントを書けるサービスがあってもよいのではないでしょうか。
実は、単独のサービスではありませんが、ニコニコ動画ではそれに該当するサービスを体験することができます。
それを実践しているのが、「文字を読む動画」「ニコニコノベル」タグの動画にあたります。



【ニコニコ動画】友人が書いたケータイ小説のようなもの(カオス注意)


しかし、ニコニコ動画でこのような文字コンテンツを動画化して投稿することには、
いくつか不便な点がまだあります。

  1. 動画の画質、文字のサイズなどによっては文字がつぶれる可能性がある。
  2. 文字にコメントがかぶさったとき、その見にくさは動画の場合のそれとは比較にならない。
  3. 動画化されてしまうため、文字情報がニコニコ動画には蓄積されない。


もし、ニコニコ動画で、文章を投稿するだけで「文字を読む動画」に変換され、
その文章の文字情報がメタデータとして蓄積され、
しかも、コメントがコンテンツの文字部分にかぶらないように設定されるサービスが提供されたら……
ひぐらしく頃に」のように爆発的なブームになるノベルコンテンツが現れるかもしれない、と僕は思っています。


ちなみに、面倒ではありますけれども、投稿者コメントを使って、
現状でも、似たようなことはできますが、面倒だし、文章をコマ切れにしなくてはならないので、
やっぱり、長文をそのまま「文字を読む動画」化してくれるサービスがほしいですね。


追記:そうそう。ニコニコニュースメーカーもひとつの可能性ですね。あれで文字情報がメタデータとして動画に入れられるなら最高なんだけど……。いや、使ったことないからできるのかどうかすら知らないんですが。

ニコニコ動画のサービスは「視聴者」側における利便性・訴求性について語られることが多い

ニコニコ動画が擬似同期型アーキテクチャだということはよく指摘されることです。
実際、同時に動画を視聴しているわけではなくても、
動画のタイムラインにそってコメントを投稿できる機能が実装されていることによって、
動画を視聴しているユーザーが、動画にコメントを投稿した他のユーザーと、
動画を見ている体験・感覚を共有できるのだ、という指摘です。


しかし、本来、ニコニコ動画の基盤の性質は「動画投稿サイト」であり、
その基本的な構造はvlog(ビデオブログ、videopodcasting)を組み替えたものとしても認識できるものです。
そして、このようにコンテンツをlogしてゆくタイプのサービス*1においては、
通常、「視聴者」側からみた利便性や訴求性についてではなく、
まず「投稿者」側からみたそれについて語られるのが、常であるように思うのです。
ところがニコニコ動画に関しては、それについて「視聴者」側の面から語られていることが多くはないでしょうか。


僕は、その一因として、動画上を流れるコメントの、
あの視覚的なインパクトの強さを挙げることができるのではないか、と思います。
あのインパクトによって、「ニコニコ動画に多くの視聴者が集まっている」、
ニコニコ動画に多くの視聴者が魅了されている」という印象は、おそらくかなり強まりました。*2
そのため、多くの論者は自然にそこに目を付けて、
ニコニコ動画の視聴者は何故ニコニコに集まるのか、という考察をするに至ったのではないかと。
もちろん、それは一因に過ぎなくて、投稿者のアップロードリストに関する仕様や、
視聴者のために用意された豊富な機能の存在なども、重要なポイントだと思うんですが……。

*1:ブログとか、ついったーとか、たんぶらーとか

*2:それに実際、ニコニコ動画の視聴者人気は目を見張るものだったと思います

ついったーもはじめてみたよ

とりあえずid:toledさんにフォローかけたら速攻でフォロー返ししてもらえた!
やったー! ツネノ先生ー。でもまだまだ使いなれてないのでおしゃべりはまだできてません><
あとさっきみたらフォロー増えてた! やったー。*1
ダイアリーにブログパーツみたいにtwitter組み込むことできるっぽいなあ。あとでやってみよう。
tumblr.は組み込めないのかなあ。

*1:id:ysadaharuさん。アカウントが一緒だったから分かったのかな。

はて☆すたを黒ハートにしてみたよ

わーい! はてなはじめたばかりなのに、昨日のエントリにはてブはて☆すたいただきましたよー!
これがはてなの威力!
なんでもはてなダイアリーってただつくるだけで、最初の時点からページランクが3?らしい。SEOいらず!


はてな……!*1


まあでもたぶん、チキさん効果だろうなあ。
こんな有名な人にいきなりidコールでトラバできるとか、インターネットすごい。はてなすごい。


ところでid:asami81はて☆すたを黒ハートにしたがっていたので、実はこっそり自分のはて☆すたを黒ハートにしていたんだけど、昨日まではスターついてなかったから見れなかったのです! スターがついて見れるようになったー!*2

*1:はまちちゃん

*2:id:asami81、黒ハート作れなかったらフォトライフから自由にどうぞ。

ハブメディアを「マスメディア」「マイクロメディア」と対比させる形で表にしてみた

さて、以下では、藤代氏の「ミドルメディア」分類を参照しながら、「ハブメディア」の分類を、「マスメディア」「マイクロメディア」と対比させる形で表にしてみました*1。ただし例えば、「テレビの情報番組」などは立派なハブメディアだし、映画・テレビ雑誌がマスメディアだったりする側面もあるので、この表はそのような意味合いにおいて正確ではありません。あと、「映像」「テキスト」「ニュース」のカテゴライズもあくまで分かりやすさのためで、これがすべてだとは勿論思っていません。あくまでこの表は、ハブメディアという言葉を理解するにあたって参考になるかもしれないものとして作成しました*2

*1:はてな記法で表も組めるみたいだけど、よくわかってないので画像にしました。ってか、これからはてなでやってくこと考えたら、はてな記法覚えないと……!

*2:ちなみにボカロのまとめwikiが入ってるのは単なる趣味

ハブメディアの分類

まあ、ああだこうだ言っていても仕方がないので、ハブメディアと言う言葉への理解を助けるために、自分なりにちょっとハブメディアの分類を行ってみました。もしかしたらいまさらなのかもしれませんが。

  1. 単独編集型
  2. 集団編集型
  3. 集団投票型(集団投票編集型)

ひとつは、単独編集型です。
これは、一人で編集されたハブメディアという意味合いではなくて、単独の編集方針に基づいて編集されたという意味で単独編集型と呼びます。勿論、一人で編集されたハブメディアの場合は単独編集型で、単独編集型ハブメディアのほとんどは実際に一人で編集されたものが多いと思います。最も単純なものとしては、従来のテキストサイトにおける「リンク集」があげられます。また、ニコニコ動画における「○○さんの公開マイリスト」やはてなブックマークにおける「○○のブックマーク」もそうです。

ふたつめは、集団編集型です。
これは、任意の集団によって編集されるハブメディアの事を指します。この型で最も有名なものはWikipediaです。

みっつめは、集団投票型です。
正確には集団投票編集型と言ったほうが良いのかもしれません。これは、いわゆるコンテンツの人気「ランキング」的なものをすべてさします。接続対象になりうる複数のコンテンツから、最も良い(正確に言えば、その集団編集方針において最も重要な)コンテンツを、優位な位置に、目立つ位置に取り扱う仕組みを持つタイプのハブメディアです。この型で注目に値するものとしては、ニコニコ動画における「マイリスト数ランキング」やはてなブックマークにおける「ホットエントリー」が挙げられます。

ハブメディアは大きく分けて、以上の3つに分けることが出来ると思います。
そして、ニコニコ動画はてなブックマークの例からも分かるように、集団投票型のハブメディアの場合、その裏に単独編集型のハブメディアがあるタイプのものがあります。要はソーシャルブックマークにおける「被ブクマ数ランキング」がそのタイプになっているということです。あ、ニコニコ動画のマイリス機能がソーシャルブックマークだということはいまさらいわなくてもいいですよね。関係ない話ですが「マイリストランキング」、RSS吐いたらいいのに。
ちなみにインターネットの中で(というか世界の中で)最も多くのコンテンツにハブしているハブメディアはGoogleですね。Googleは分類上は集団投票型です(検索上位に上がるコンテンツは「集団」「投票」によって決まってますよね)。
また、集団投票型であるハブメディアにおいては、往々にして恣意的な単独編集が行われる可能性があり、また単独編集が疑われた/疑われるケースも存在します。最も有名なものでは「Google八分」がそうで、ニコニコ動画の「マイリスト工作」などもそうです。

ハブメディアっていう言葉はもっと広まっていい

だったらそれらを繋げる「ハブ」(=接続)となるメディアがあればいい。ハブメディアの機能が担えるのであれば、形態はなんでも構わない。もともと人は、複数のメディアを拾い読みしているものだし、そのような読者達に対して「これで完璧」という一冊を作るよりは、各コンテンツを中心に置いたうえで、その道筋を作ってやればいい。このような認識があるがゆえに、「小さなメディア」を手に、ハブメディアを構築することに意義を見いだした。
http://publications.asahi.com/ronza/story/200805.shtml

荻上チキさん(id:seijotcp)が5月号の論座で、さらっとハブメディアという言葉を使っているんですけれども、この言葉、もうちょっときちんと定義されて、浸透してほしいな、と思うのです。便利な言葉ですし。

ハブ(=接続)。要はハブメディアとは、様々な情報・コンテンツをまとめる媒体のこと。膨大な情報が常に生み出され続ける現代だからこそ、価値を有するのがハブメディアですね。

実はこのハブメディアという言葉の代わりに、ジャーナリストの藤代裕之さんが「ミドルメディア」という言葉を用いて、ほとんど似たような概念の説明をされておられるんですけど、あんまり正確な言葉とはいえないのでは、と僕は思っています。

「ミドル」という言葉を、おそらく「経由の中間点」という意味合いで使用しておられるのだろうと思うのですけれども、たぶん「中規模の、中くらいの、中程度の」という意味合いでも解釈が出来てしまうし、マスメディアとマイクロメディアの中間点という定義の仕方も疑問です。むしろ、ハブメディアは、マスメディアもマイクロメディアも同様にハブ(接続)していくように変化していくだろうと思いますし、マスメディアなどは今後ハブメディア化していくでしょう。逆に言えば、ハブメディアはマスメディア化していくでしょう。ていうか実際ハブ的な性質をほとんどのマスメディアは持っていますし、その傾向はいっそう加速しているようにも思えます。